ヨガは究極の体幹トレーニング
体幹部のコルセット(多裂筋ー腰方形筋ー腹横筋)を鍛えて姿勢を改善するため、ドローイング・インが有効であることはすでにお話ししました。
ハタヨガにおいては、何とこのテクニックが今から5000年ほど前にすでに使われていました😲
それが、バンダ(身体の封)というテクニックです。
さらに、バンダは体幹部を安定させるだけでなく、呼吸によって体内に取り入れた生命エネルギー(プラーナ)の流出を防いで、自在にコントロールする役割があります。
ヨガは単なるストレッチや体操ではなく、エネルギー・ワーク!
ハタヨガのポーズや呼吸法では、バンダを働かせることがとても重要なんです
逆に、バンダが効いていない状態でポーズや呼吸法を実践しても、それはヨガではありません!
では、バンダとはどのようなテクニックなのでしょうか?
3つのバンダ
バンダとは、身体の特定の部位の筋肉を締め付けて封をすることです。
体内に取り入れたエネルギーを、封をして閉じ込め、コントロールする場所は3か所あります。
①ムーラ・バンダ(肛門括約筋・会陰部の締め付け)
「根底の封」という意味であり、肛門や会陰部を締め付けることにより、上から下に向かうアパーナという気の流れを引き上げるテクニックです。また、会陰部を収縮しコントロールすることによって、ムラダーラ・チャクラに眠るクンダリニーを覚醒させます。
初心者の方がムーラ・バンダをコントロールすることはなかなか困難ですが、息を吸い込んで横隔膜が下がったときに脊椎の下部が伸ばされるため、ムーラの収縮を感じることができます。まずは、トライしてみて下さい!
②ウディヤーナ・バンダ(腹部の締め付け)
「上向きに跳ぶことによる封」という意味があり、下腹部を上に(背骨の方に)引き上げてその状態を保つことにより、体内でエネルギーを循環させるテクニックです。通常は息を吐いたときに行いますが、息を吐き切った後、新たに息を吸う前に息を止めている間に行うこともできます。
このバンダにより、プラーナがスシュムナー(エネルギー経路)の中を跳びあがるため、バンダの中でも最上のテクニックといわれます。
③ジャーランダラ・バンダ(喉の締め付け)
顎をしっかりと胸骨の上のくぼみに押し当てて、喉を締め付けることにより、ヴィシュダ・チャクラから下に流れ落ちるアムリタという不老不死の甘露を引き留めるテクニックです。また、身体を流れる上向きのプラーナ気を下に引き戻す役割もあります。
そしてさらに、ムーラ・バンダで引き上げられたアパーナ気(下向きの気)と、ジャーランダラ・バンダで引き戻されたプラーナ気(上向きの気)が、マニプーラ・チャクラ(太陽神経叢)で合流し、生命活動に必要な熱を生み出します。
人間の身体は巨大な圧力釜
まさに、人間の身体は巨大な圧力釜!
しっかりと蓋をしめて圧力をかけたのち、火力の力で中の具材を調理するようなもの。
この巨大な圧力釜の蓋にあたるのが、ジャーランダラ・バンダ。
身体の根底部に入ってきたエネルギーに点火するのが、ムーラ・バンダ。
具材に熱を加えてぐつぐつと調理するのが、ウディヤーナ・バンダ。
今から、5000年前にこんなテクニックが開発されていたとは、本当に驚きですね😲
まさに、ヨガ・マジックの世界!
このブログにお付き合いいただいている皆さんも、そろそろヨガは単なるストレッチやフィットネスではないことにお気づきなのではないでしょうか?
ただし、いかに素晴らしいテクニックであっても、簡単には身につくものではありません。正しいヨガの実践を通じて、一生使えるテクニックを身につけたい方をお待ちしています。