不老不死の甘露を枯らすな!

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不老不死はいいものか?

人間はいつかは死ぬ。その死を止める不老不死の甘露があるとしたら、あなたならどうしますか?

そう問われたときに、何があっても手に入れたいという人と、人間は寿命が尽きたときに死ぬのが一番だと考える人とがいると思います。

私は、もし人間が死をむかえることがなく永遠に生きなければならないとしたら、その方がむしろ拷問であると思ってしまいます。

人生には限りがあるからこそ、短い人生を精一杯生き、いろいろなことを体験してやろうという意欲がわくのではないでしょうか?

時間が永遠に与えられていたら、何も今日、美しい風景をみたり、仲間や家族と楽しい体験をする必要はなく、そのうちやればいいことになります。

病気で余命宣告を受けた人が、偉業を成し遂げたという話を耳にすると、人生に限りがあることに大きな意味があるように思います。

不老不死の甘露アムリタ

実は、不老不死の甘露はどこか遠い世界の果てにあるのではなく、人間の身体の中にあるのです!

不老不死の甘露であるアムリタは、ビンドウ・チャクラという脳の中心で作られて、ナーディーを通って喉のチャクラ(ヴィシュダ・チャクラ)に蓄えられて、さらにはマニプーラ・チャクラへと落ちていきます。
そして、アムリタが下に流れ落ちた時に人間は寿命が尽きて、死をむかえるとされています。

ということは、このアムリタがいつまでも貯えられていれば、不老不死が実現するわけです。
それでは、アムリタが下に落ちないように貯蔵する方法があるのでしょうか?

何と、教典にはちゃんとその方法が書かれているのです。
それが、第3のバンダ(身体の封)であるジャーランダラ・バンダ(喉の締め付け)と、シールシャ・アーサナ(頭で立つポーズ)です。

それでは、この2つの秘儀を紹介します。

ジャーランダラ・バンダ

ジャーランダラとは、「水を保持する」という意味があり、水とは不老不死のアムリタを指しています。このバンダは喉を締め付けることにより、アムリタが下に流れ落ちるのを止める役割があります。

次の手順で行ってみて下さい。

①蓮華座またはあぐらをかいて坐る。

②膝の上に軽く手を置く(または、ギャーナ・ムドラー)。

③鼻からゆっくりと息を吸い、鼻から出す。吸った後で息を止め、顎をしっかりと胸骨にあてて、喉を締め付ける。

④身体は前に傾けて、肩を少しだけあげて喉の締め付けを意識する。

⑤吐く息で、肩と喉の締め付けをゆるめる。

シールシャ・アーサナ(頭で立つポーズ)

このアーサナはすべてのアーサナの王様といわれています。

①下向きの犬のポーズから、つま先を立てて膝まずきます。

②両手の指を組み合わせて、前腕で三角形の土台をつくり、頭を組んだ手の中に置きます。

③膝を床から離して、お尻が肩の真上にくるように持ち上げます。

④下腹部を締め付け、ウディヤーナ・バンダのコントロールを効かせます。

⑤膝全体をまっすぐに伸ばし、脚全体も伸ばします。身体を床に対して垂直に立てます。

⑥戻るときは脚を折りたたんで、つま先から静かに着地します。

このポーズで重要なことは、反動を使わずに常にウディヤーナ・バンダのコントロールを効かせることです。
ただし、初心者がいきなりこのポーズの練習をするのはNGです。必ず、確かな指導者の指導のもとで行って下さい。

ヨガのポーズの実践により、バンダのコントロールが効いてくると、いろいろなポーズができるようになり、自身の身体を自由に操れる楽しさを味わうことができます。

アムリタの正体とは?

では、本当にアムリタという不老不死の甘露があるのでしょうか?
どうやら、これは視床下部や甲状腺からでるホルモンではないかという説があります。

①甲状腺からでるホルモン(サイロキシンとトリヨードサイロニン)
甲状腺ホルモンは、成長を促したり、エネルギー代謝を調整する役割があり、全身の細胞の代謝の状態を維持し、活動的な状態を保つために不可欠なものです。

②視床下部からでるホルモン(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)
頭の中心部にある視床下部からは、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンが分泌されて、下垂体前葉に作用して、甲状腺刺激ホルモンの分泌を促進させます。この甲状腺刺激ホルモンが、甲状腺に到達して甲状腺ホルモンを分泌させるのです。

また、分泌された甲状腺ホルモンは、視床下部と下垂体前葉に負のフィードバックをかけるので、甲状腺ホルモンの濃度は一定に保たれます。

すなわち、
視床下部:甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン分泌
 ↓
下垂体前葉:甲状腺刺激ホルモン分泌
 ↓
甲状腺:甲状腺ホルモン分泌
となるわけです。なんだかややこしいですね。

ここでこれらのホルモンの働きと、アムリタがビンドウ・チャクラという脳の中心で作られて、喉のチャクラ(ヴィシュダ・チャクラ)に蓄えられているという経典の内容とがほぼ一致していませんか?

ハタヨガの経典が作られた時代に、現代の生理学で解明されたホルモンの働きが明らかにされていたと考えると、なんだか恐ろしいですね😲

まさに、ヨガは科学なんです!

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