痛みの声を聴け!

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ヨガは痛みのとの闘い?

ヨガを始めたばかりに人にとって、痛みにどう対処するかがもっとも大きな課題の一つといえるのではないでしょうか?

私も、ヨガの実修を始めた頃は、毎回毎回、日常生活においては考えられない方向に身体を捻ったり、絞りあげたりの連続で、就寝時に身体じゅうが焼け付くような痛みに悩まされました。まるで身体が引き裂かれるような感覚です。

アシュタンガヨガの実修を継続している現在でも、深いバックベンド(後屈のポーズ)の後は、胸や腰にひりひりとした痛みを経験します。

ハタヨガは痛みとの闘いである!
という声を耳にします。ポーズの実践は、普段使わない筋肉をフルに収縮させたり伸ばしたりの繰り返し。痛みが発生するのはあたりです。重要なことは、その痛みから何を学ぶかということです!

痛みは身体からのメッセージ

痛みは悪いものだと思っていませんか?

痛みは必ずしも悪いものではなく、身体に過度の負担がかかっている場合に身体が発する危険信号(メッセージ)なのです。

例えば、ホーズが正しく行われていないため、筋肉や靭帯、関節に負担がかかり過ぎている場合や、バンダ(身体の封)が効いていないため、脊柱や腰を中心とした体幹部が不安定になっているときには、即座に痛みというかたちでメッセージが送られてきます。

①ポーズが正しく行われていないから、修正して!
②そのポーズは今の段階では無理だから、もう少し待ってくれ!
③ポーズがきつすぎるから、もう少し緩めてくれ!
④ムーラを収縮させて、体幹部をしっかり安定させてくれ!
⑤筋肉の緊張が強いから、ゆっくりと呼吸をして緊張を緩めてくれ!

痛みは絶えず、ヨガ実修者にメッセージを送り続けています。痛みが発する声に常に耳を傾けてください。
そして、痛みを観察して、それがどんな種類のものか、発生場所はどこかをじっくりと突き止めて評価していく必要があります。

痛みを分類せよ

痛みを評価するときに、次のように痛みを分類してみると、その対処法が明らかになってきます。

①不可避的な痛み
実践により経験する痛みのうち多くのものは、長いこと使われなかった筋肉を伸ばしたり、あまり動かさなかった関節を動かしたことによって生じるもので、これは正常な痛みです。
これらのうち多くのものは、実践の過程において自然に治癒します。

②集中型の鋭い痛み
一点集中型の鋭い痛みは、身体が発する非常にはっきりとしたメッセージです。この場合は、身体が発する声に耳を傾けて、ポーズによる制限を緩める等の対策をとります。


③関節から発生している痛み
痛みが筋肉から発生している場合は大きな問題はありませんが、関節(または関節を支える腱や靭帯)から発生している場合は、要注意!
関節の痛みは筋肉が十分に強くない場合やポーズが正しく行われていない場合に生じるため、ポーズの制限を緩め、一つ前の段階に戻って下さい。

なお、筋肉の痛みには、患部にマッサージオイル(シードオイル)を定期的に塗ると、筋緊張が鎮まり組織が柔軟になります。

痛みとうまく付き合う

このように、ヨガの実修をしていく過程で、痛みはとても有用な情報を提供してくれます。痛みが発するメッセージを聞き、適切な対応をとることにより、ケガを未然に防止することにもなります。

ヨガ実践者の中には、「ヨガは痛みとの闘い、それをのり超えるのが上達への道だ!」とお考えの人もいるかと。
しかし、痛みを我慢して、のり超えて突き進んだ先には、どのような風景が待っているのでしょうか?

ヨガは、闘いではありません。無理をせず、焦らず、自己の限界に気付いて、その枠を取り除いていくプロセスです。
痛みと闘うのではなく、我慢するのでもなく、うまく付き合うとことにより、楽しくヨガを続けたいものです。

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