クンダリニー上昇は準備が整ってから
人間の尾てい骨周辺で、3回半とぐろを巻いたへびの状態で眠っているクンダリニー。これが脊柱に沿ってチャクラを通過しながら上昇し、頭頂部に到達すると女性原理(シャクティー)と男性原理(シバ)が合一し、超越した意識に到達!
しかし、突然のクンダリニー覚醒は危険を伴います。
精神的・肉体的な準備が整っていない状態でクンダリニーが覚醒した状態をクンダリニー症候群といい、様々な症状に悩まされます。
○急な発熱と悪寒
○突然鐘の音が聞こえる
○感情が爆発する
○めまい、耳鳴り、頭痛
○急激な心拍数の増加
○明るい閃光が走る
○エネルギーの高揚による寝苦しさ
○ムズムズ感 などなど
人によって違いはありますが、突発的にこのような症状があらわれます。
対処法
私も、長年ヨガの実修を続けていて、急激なエネルギーの高まりにより、突然に体調悪化にみまわれたことを何回も経験しました。
例えば、就寝中にムラダーラチャクラから背骨までが燃えるように熱くなったり、ポーズの練習中に頭がふらふらして立っていられなくなったりとか。
このような症状を経験したときに大切なのは、決して慌てないこと。ヨガを継続的に実践している人の場合は、一時的にクンダリニーが上昇しても、静かにしていれば、やがては治まります。
ゆっくりと呼吸をし、意識を下の方(スヴァディシュターナ・チャクラかムーラダーラ・チャクラ)に移してあげると、やがては落ち着いてきます。
しかし、これは、ムーラバンダとウディヤーナバンダを使って、エネルギーの取り扱いに慣れているヨガ実践者の場合。尾てい骨を床にたたきつける等の方法で、一気にクンダリニーを覚醒させるような行為は非常に危険です。
自動制御装置グランティー
このように、急激なクンダリニーの覚醒&上昇は、ばく大なエネルギーが人間の脊柱に流れ込むため、肉体および精神に異常をきたすおそれがあります。
そこで、これを抑えるために制御装置が備わっています。それが、グランティー(結節)と呼ばれるもので、スシュムナーに沿ってエネルギーの流れをふさいでいる箇所が3か所あるのです。
大量の水が一気に流れ込んで河川が氾濫しないように、水の流れをせき止めているダムのようなものです。
脊柱にある3つのダムとは、
①ムーラダーラチャクラにあるプラフマ・グランティー
②アナーハタ・チャクラにあるヴィシュヌ・グランティー
③アージニャー・チャクラにあるルドラ・グランティー
クンダリニーが覚醒すると、これらの結節を一つずつ破壊していきながら、徐々に頭頂部に登っていきます。
結節の破壊は、それは準備が整ったOKサイン!
エネルギー経路が開通し大量のエネルギーが流れても、もう大丈夫!
河川の氾濫の心配はなくなりますので、グランティーの役割はそこで終了です。
クンダリニー覚醒は目的ではない
ヨガ実修者ならば、クンダリニーを覚醒させて、サマーディーという超越意識の状態がどういうものか、体験してみたい誘惑にかられます。
しかし、大切なのはそこに到達するということではなく、この世界でしか味わえない経験をしながら、途上にある風景を楽しむことではないでしょうか?
長距離列車にのって、車窓からの風景を眺めているのも旅の楽しさの一つです。
ゆっくりと焦らずに、深い呼吸をしながらポーズをとっていくと、自然と身体の中でエネルギーが高まり、上昇していくのを感じます。
ハタヨガは、単なる柔軟体操やストレッチではなく、ゆっくりとエネルギーを取り入れ、保持し、循環させていくテクニックの集積です。
その実践の果てに、自己がどのように変容していくのか?目的地までの風景を楽しむことも、ヨガのだいご味なのです。