呼吸ってすごいんだ!

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呼吸はエネルギーのコントロール

呼吸に意識を集中しましょう!

ヨガのスタジオにいくと、必ずと言っていいほど耳にするスレーズです。ヨガの実践においては、呼吸ほど重要なものはありません。なぜならば、呼吸とともにプラーナというエネルギーを身体の中に取り入れて、保持し、循環させるからです。

すなわち、呼吸とは扱いづらいエネルギーを操る手綱のようなものです。まさに、呼吸のコントロールはエネルギーのコントロールであり、これをマスターすれば怖いものなし!

そこで、今回はこの呼吸のしくみについてまとめてみたいと思います。

呼吸のメカニズム

呼吸は肺を使って行われますが、肺のまわりには肋骨、胸骨、背骨、そしてこれらの間に張り巡らされた筋肉からなるカゴ(胸郭という)があります。

胸郭の底には、横隔膜というドーム状の薄い筋肉が張られています。
また、肺の外側にある膜と胸郭の内側にある膜との間は胸膜腔とよばれ、わずかな水分が存在し、つねに陰圧の状態に保たれています。

今、何らかの作用によって胸郭の容積が拡大すると、胸膜腔内の陰圧がさらに高まり、それにつられて肺が風船のようにふくらみます。肺がふくらむと、空気が自然と気管支をとおって、肺の中に引き込まれてきます。これが吸気です。

一方、胸郭の筋肉が緩むと、胸郭はそれ自体の弾性によって元の状態に戻り、膨らんだ肺(風船)がしぼんで元に戻り、中の空気は気管支から外に出ていきます。これが呼気になります。

では、どのようにして胸郭の容積を拡大させるのか、見ていきましょう。

3つの呼吸法

胸郭の容積を拡大させる方法は3つあります。

鎖骨式呼吸
鎖骨についた筋肉(僧帽筋や胸鎖乳突筋)を使って、鎖骨を引き上げることによって、胸郭の容積を拡大させます。これを鎖骨式呼吸といいます。

胸式呼吸
胸郭をつくる肋骨の間にある外肋間筋を収縮させて、肋骨全体を上に引き上げます。肋骨とその先端にある胸骨は一体となって、バケツの取っ手のような運動をして、胸郭の容積が拡大します。これが胸式呼吸です。

一方で、内肋間筋が収縮すると、肋骨が引き下げられて、胸郭容積が小さくなり息が吐きだされます。

複式呼吸
胸腔と腹腔とを隔てる横隔膜という筋肉を収縮させて、胸郭を拡大させる方法が複式呼吸です。横隔膜は上に向かってドーム状に盛り上がった形をしています。横隔膜が収縮するとドームの天井が下に下がり胸郭が拡大します。

一方で、横隔膜が弛緩するとドーム状の天井が高くなって、胸膜腔が狭くなり、肺から息が吐きだされます。

ヨガの呼吸は完全呼吸

ヨガでは、この3つの呼吸法を組み合わせて行います。これが完全呼吸です。

息を吸うときは、腹、胸、胸の上部の順に満たしていきます。横隔膜が下がる(腹が膨らむ)ことで肺の下部に、肋骨を引き上げることで肺の中間部に、鎖骨を引き上げることで肺の上部に吸気が送り込まれます。

一方、吐くときは腹、胸、胸の上部の順に吐いていきます。すなわち、肺のすべての部分を使うことにより、深い完全な呼吸が可能となるのです。

普段、無意識に行っている呼吸でも、いろいろな筋肉がフル稼働し、複雑なメカニズムが機能しているのです😲
ヨガの実修を継続していると、普段でも自然と呼吸に意識が向くようになり、呼吸が深くなってきます。

人間、生まれてから死ぬまで、絶えず行っている呼吸。ただ単に酸素を吸って、要らなくなった二酸化炭素を吐き出しているのではなく、壮大な宇宙との間で行われるエネルギーのキャッチボール。
そう考えると見える世界が変わってきませんか?

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