エネルギーの通り道は目に見えない
呼吸とともに身体の中にとりいれたエネルギーは、どうやって身体の中をまわっているのでしょうか?
それは、身体じゅうに張りめぐらされているナーディという管をとおって循環しています。ナーディの数は72,000本だとか、350,000本だとかいわれていますが、実際のところは定かではありません。
なぜならば、それは肉体の中にあるのではなく、5つの鞘のうちの2番目のプラーナマヤ・コーシャにあり、目には見えないからです。
膨大な数のナーディのうち、ヨガの実践で覚えておきたいのは、わずか3本!
①脊柱をつらぬくスシュムナー
②右の鼻腔から流れるピンガラー
③左の鼻腔から流れるイダー
それでは、順番に見ていきましょう。
背骨のまわりの3本道
①スシュムナー
もっとも重要な通り道であり、身体の中央(脊柱)を骨盤底部から頭の中心にかけてつらぬいています。ハタヨガにおいては、ここをきれいにして、エネルギーの通りをよくすることがとても重要なのです。
②ピンガラー
右の鼻の流れであり、「太陽」をあらわし、スーリャ・ナーディ(太陽の気道)ともよばれています。次にあげるイダーと交差しながら、骨盤底部から眉間へとつうじています。
ピンガラーの流れが強いときは、活動的な作業がはかどります。身体を温め、活動的な行動をもたらすことから、交感神経と同じような働きがあるといわれています。
③イダー
左の鼻腔の流れであり、「月」をあらわし、チャンドラ・ナーディ(月の気道)ともよばれています。ピンガラーと交差しながら、同じように骨盤底部から眉間へとつうじています。
イダーの流れが強いときは、静かな落ち着いた作業が適しています。身体を冷やし、ゆったりと落ち着いた行動をもたらすことから、副交感神経と同じような働きがあるといわれています。
エネルギーの流れは時間とともに変化する
ピンガラーとイダーの流れの強弱は1日の時間帯によって異なり、60分から90分おきに変化するといわれています。人間の時間ごとのバイオリズムと関係しているようです。
太陽が活動しているときは、元気いっぱいの仕事や勉強モード。逆に、月が活動している時は、のんびりとコーヒーブレイク。
自分の身体の中で、太陽と月が時間ごとに入れ替わっているとは、何ともファンタスティックな感じがしますね!
人間の身体をめぐるエネルギーの動きが天体の活動と同じとは😲まさに人体の不思議!
ヨガの練習をしていると、脊髄神経が刺激されて、ナーディを流れるエネルギーの流れにとても敏感になってくるため、これもまた不思議です。
3本道は交差する
そしてさらに、ピンガラーとイダーは、スシュムナーを中心にして互いに交差しているんです。これらの交差点ではエネルギーが車輪のように渦を巻いていて、これがおなじみのチャクラといわれる箇所になります。
ヨガのポーズを練習するときには、是非、呼吸とともに取り入れたエネルギーが、脊柱のまわりを流れているとイメージして下さい。しっかりとイメージしながらポーズをとることによって、今までとは違った景色が見えてきます!