ホットヨガは身体にいいのか?
Q:ホットヨガは健康によいか?
ホットヨガにはまり、週2回熱心に通っていた40代女性Mさんからよせられた質問。最初のうちは運動後に気分がすっきりし、爽快感があったのですが、最近はガンガンに暖房を入れた部屋の中で、大量の汗をかきながら慌ただしくポーズらしきものをとっていることに疑問を感じるようになり、とうとう通うのをやめてしまったそうです。
はたして、ホットヨガは本当に身体にいいのでしょうか?
ホットヨガの良いところ
多くのスタジオが宣伝しているように、高温多湿の部屋で運動するので多量の発汗があり、身体に溜まった老廃物が汗とともに排出されます。発汗により余分な脂肪が燃焼されればダイエットにもなります。
また、血行が促進されて冷えの解消や手足の浮腫みの改善が見込めます。血行が改善されると血液の通り道である血管が弾性を取り戻し、脳梗塞や心筋梗塞の原因となる動脈硬化の予防にもなります。
必要な酸素や栄養素が血液によって身体のすみずみまで運ばれるようになると、新陳代謝がよくなり、体調が改善されることもあります。肌がきれいになったという女性の声も耳にします。
ホットヨガの注意点
ホットヨガは高温多湿の環境のもとで、急激に体温をあげた状態で運動をするため、自律神経のバランスが崩れるおそれがあります。
急に外気温の上昇にみまわれると、視床下部にある体温調節中枢がその情報を受けとって、自律神経系に働きかけ調整を図ろうとします。
自律神系を通じて、まず皮膚血管が拡張されて皮膚からの熱放射が亢進されます。それでも不十分な場合は、交感神経からアセチルコリンという物質が分泌されて汗腺を刺激します。汗が出てそれが蒸発するときに、熱を放射し身体の熱を下げます。
ここで、温度が急激に上昇し発汗が促進された後、また身体が急に冷やされるとなると、さらに自律神経に混乱が生じ、そのバランスは崩れてしまう原因となるのです😲
急激な体温上昇にみまわれて、自律神経が忙しく働いている時に、ポーズや呼吸法でリラックスを促すことは、エンジンをかけながらブレーキを踏むようなもの。自律神経が悲鳴をあげているのが聞こえてくるようですね。
結論
ヨガの練習では身体の内部に呼吸とともにプラーナという生命エネルギーを取り入れ、ポーズと連動させながら循環させていきます。その過程において、徐々に体温は上昇し自律神経の働きにより発汗が起こります。強制的に外部から熱を与えて急激に発汗させる方法では、内部にエネルギーを取り入れて徐々に高めていくという感覚は味わいにくいのです。
もちろん、運動で大量に汗をかいて、身体に溜まった老廃物を一気に出してしまうのが気持ちいいと考える人もいます。ゆったりとしたペースで自分の身体と向きあうか、それとも一気に済ませるのか?どちらをとるかは個人の選択の問題といえそうですね☺
何とも慌ただしい毎日。ゆったりと時間をかけて自分の身体と向き合っていきたいものです。